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メールの誤送信になぜなぜ分析を活用する方法|誤送信の原因や手順について解説

2023.02.24 2023.08.01

メールの誤送信は、企業のリスクにつながるため対策が必要です。原因分析と予防策の立案には、なぜなぜ分析が役立ちます。この記事では、情報システム部門の担当者様をはじめ、普段からビジネスでメールをご利用の方に向けて、メールの誤送信になぜなぜ分析を活用する方法について解説します。誤送信の原因やなぜなぜ分析を成功させるポイントも解説しているので、参考にしてください。

メールの誤送信対策とは

メールの誤送信対策とは、企業から顧客・取引先にメールを送る際に、誤った宛先や内容を送信することによって生じる被害を未然に防ぐ対策です。メールを重複して送る、添付ファイルのつけ忘れや誤字脱字といったメールに不備がある状態で送るミスも、メールの誤送信に含まれます。ミスを最小限に抑えるために、企業は業務フローやチェック体制の見直しが必要です。

メールの誤送信のリスク

メールの誤送信を行ってしまえば、メールの宛先間違いや誤った添付ファイルにより顧客情報・個人情報が漏えいする可能性があります。企画資料や自社の社外秘データを添付すれば、社外に機密情報が流出してしまいます。担当者だけでなく企業の信用が低下し、売り上げ減少や事業運営に影響が出る可能性もあります。

メールの誤送信の原因

メールの誤送信が発生する原因は、ヒューマンエラーや不十分な環境整備です。ここでは、メールの誤送信の原因について解説します。

ヒューマンエラー

担当者の集中力、認知力の低下などにより、ヒューマンエラーが起こり、意図せず誤送信が発生します。ヒューマンエラーは誰にでも起こり得るもので、スキル不足や、担当者間での連携不足によっても起こります。意図的に手順を簡略化したベテラン担当者や、効率を求める組織にストレスを感じた担当者が誤送信を送るケースもあり、組織全体でヒューマンエラーを防ぐ対策が不可欠です。

不十分な環境整備

キーボードが反応しにくい、モニターが小さく本文が読みにくいといった物理的なスペックの問題や、送信ルールや対策ツールが整備されていないなどの不十分な環境整備も原因になります。小さなストレスが溜まると、確認が疎かになりがちです。ツールやシステムの導入をし、仕組みを整えれば、できる限り誤送信の発生を回避できます。

メール本文に個人情報や機密情報が含まれていることがある

メール本文に個人情報や機密情報が含まれていると、Ccに含まれるユーザーに閲覧され、情報が漏えいするリスクが上がります。BccとToやCcを間違えた場合の誤送信のパターンです。宛先は合っていたとしても、個人を特定できる住所録やクレジットカードの番号、仕入先リストなどが本文に書かれていないか注意が必要です。

メールの誤送信対策

メールの誤送信を防ぐための4つの対策を解説します。自社の原因や発生状況に合わせて活用しましょう。

メール送信前に第三者によるチェックをする

メールを送信する前に、上司や同僚といった第三者に宛先、本文、添付ファイルの内容をチェックしてもらう方法です。思い込みや初歩的なミスを防ぐことができ、メールの誤送信の可能性は低くなります。膨大なメールを毎回確認するのは大変であるため、重要なメールのみに絞ったり、事故を早く発見できるようCCを活用したりするのもおすすめです。

宛先のオートコンプリート機能を無効にする

宛先のオートコンプリート機能を無効にすれば、誤送信をある程度防げます。オートコンプリート機能とは、宛先を入力すると、候補を表示してくれる機能です。便利な機能ですが、確認が不十分なまま宛先を設定したり、似たような文字列が候補として並び見間違いが発生したりする傾向があり、注意しなければなりません。

添付ファイルを暗号化する

添付ファイルの暗号化とは、1通目のメールでパスワードを設定した添付ファイルを送り、2通目のメールでパスワードを送信する方法です。PPAP(添付ファイルのZip暗号化通信)とも呼ばれます。ただし、PPAPにはリスクもあります。昨今では添付ファイルを盗聴されるリスクと標的型メール攻撃(Zip暗号化ファイルはゲートウェイでのウイルスチェックができないため)を受けるリスクが指摘されています。

メール誤送信防止サービスを利用する

メールの誤送信対策を実施できるセキュリティサービスを利用するのも有効です。添付ファイルをWebダウンロードする、送信メールを一時保留しうっかりミスを防ぐ、上司の承認なしではメールが送れないといった誤送信防止機能が搭載されています。情報漏えいを確実に阻止するのに効果的です。

原因把握と再発防止になぜなぜ分析も有効

なぜなぜ分析とは、「なぜ」という問いかけを繰り返すことで、根本的な原因を探る分析手法です。トヨタ自動車で生み出され、「なぜ、問題が発生したのか」「なぜ、気づけなかったのか」といった「なぜ」を5回繰り返して改善につなげます。

何度も掘り下げるなかで真の原因を見つけ出し、問題解決と再発防止に導くフレームワークです。組織の弱点や問題が浮き彫りになるため、製造現場やIT業界など、幅広い業種で活用されています。

なぜなぜ分析の進め方について

なぜなぜ分析を進める方法は、3つのステップに分けられます。ここでは、進め方について解説します。

1.分析の目的と課題を明確にする

課題を洗い出し、分析する課題を選定します。課題を特定しないまま分析すると、曖昧な答えしか出てこず、根本的な問題解決にはつながらないためです。「ミスをした」という抽象的な表現ではなく、「いつ・どこで・何を・どのように」に当てはめながら人や場所、職種といった具体的な問題発生時の状況を明らかにしましょう。

2.原因を突き止める

特定した課題について、「なぜ」を繰り返し、1つずつ要因をリストアップしていきます。1次的な要因をあげ、2次要因、3次要因と掘り下げながら、体制や仕組み、システムの真の原因を見つけます。確実な解決策や再発防止策を導き出すまでには5回ほど繰り返すとよいとされますが、結論が出れば5回でなくても構いません。

3.解決策を導き出す

2度とトラブルが起きないように、メールの誤送信の再発を防ぐ解決策を導き、策定します。解決策は、実行可能で評価しやすいものであることが重要です。実行できないものは、改善策にはなりません。対策後は定期的に評価し、問題が解決しているかを確認しましょう。効果が得られない場合は、課題設定から見直します。

なぜなぜ分析を成功させるポイント

正しい分析ができないと、根本原因にたどりつけないことがあります。なぜなぜ分析を成功させるポイントを解説します。

課題を曖昧にしない

課題設定が抽象的で曖昧なものでは、分析も曖昧になります。「メールの誤送信が発生した」だけではなく、どこで、どの程度、誰がといったことまでできるだけ詳しく表現しましょう。原因が「忙しかったため」だけでは、個人が忙しいのか、チーム・部署が忙しいのかがわかりません。人によってさまざまな解釈が生まれないように、具体的に提示することが重要です。

感情や思い込みで分析しない

「ミスの多い担当者だから」といった個人的な感情、思い込みで分析してはなりません。客観的に分析すると、「チェック体制が整っていなかった」「1人に任せきりである」という事実で分析でき、具体的な原因が明確になります。感情的な分析は、解決策につながらないよくある失敗例です。

個人の問題ではなく、組織の問題と捉える

「担当者のミス」「担当者が寝不足だった」という個人的な分析をすると、指導や業務の見直しで終わってしまいます。この場合、同じ人が再度ミスすることや、担当者が変わって同じミスを起こす可能性があるため、組織の問題として捉えることが重要です。再発防止策を立てる際は、「オートコンプリート機能で宛先が入力されていた」といった具体的な仕組みや制度に着目しましょう。

解決できないことは原因にしない

「なぜ」の問いかけを繰り返すうちに、「新型コロナウイルスの影響」「景気が悪い」といった自分達では解決できない原因にたどりつくことがあります。それ以上分析できなくなり、解決策が見つからず、分析の意義がなくなります。自分達で解決までの道筋がコントロール可能な原因と、再発防止策を見つけましょう。

まとめ

メールの誤送信は、なぜなぜ分析によって原因把握と再発防止につなげられます。なぜなぜ分析をする際は、課題を明確にし、感情や思い込みで分析しないことが重要です。企業のメールセキュリティ向上には、メール誤送信防止サービスのシステム利用もおすすめです。

クオリティアは、国内メッセージングソリューション、メールセキュリティベンダーの老舗です。「Active! gate SS」は、Microsoft 365やGoogle Workspace、LINE WORKSと連携する本格的なクラウド型メール誤送信防止サービスです。

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「送信メールの一時保留」「添付ファイルのWebダウンロード」「TLS確認機能(PPAP対策)」「フィルタリング」「添付ファイルの暗号化」「ヘッダー変換(Bcc強制変換・Cc/Bccの自動付与)」「上司承認」の7つの機能を、お客様のスタイルに合わせた2つのプランで提供。

セキュリティと利便性を兼ね備え、メールや添付ファイル経由の情報漏えいを防止します。特に新たにリリースされた「TLS確認機能」はPPAPの課題を根本から解決する新機能です。
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