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SSL/TLSサーバ証明書とは?証明書の仕組みや役割、種類、選び方などを解説

2024.04.26 2024.04.26

SSL/TLS サーバー証明書とは、Web上の通信を暗号化するためのプロトコルです。自社の情報を守り、Webサイトが公式のものであることを証明します。この記事では、情報システム部門の担当者の方に向けて、SSL/TLSサーバー証明書の概要や仕組み、役割などについて解説します。セキュアな通信環境構築のために役立ててください。

SSL/TLSサーバー証明書とは

SSL/TLSサーバー証明書とは、インターネット上で行われる通信を暗号化するためのデジタル証明書のことで、Webサイトの身元を保証するという役割もあります。Webサイトが偽物ではなく本物だということを証明できるため、「なりすまし」を防ぐことが可能です。

企業や官公庁、教育機関などにとっては、信頼できるサイト運営とデータ保護をしっかり行うことが重要になります。SSL/TLSサーバー証明書を活用することで、Webサイトの認証と通信の暗号化が可能となるため、信頼性の高いWebサイト運営を行えます。

SSLとTLSの違い

SSLとは「Secure Socket Layer」の略略で、TLSは「Transport Layer Security」を略したものです。SSLもTLSも、アメリカのネットスケープコミュニケーションズ社により開発され、主に暗号化、認証、改ざん検知する3つの機能がある点は同じといえます。SSLは1994年にリリースされ、脆弱性に対抗するためにバージョンアップが繰り返し行われてきました。1995年にはSSL3.0に置き換えられましたが、現在SSLはほとんど使われていません。

一方TLSは、1999年にリリースされました。SSL3.0をアップグレードした最新バージョンで、以降3つのバージョンが開発されています。

※参考:SSL/TLS 20年の歩みと動向~ – JPNIC

SSL/TLSサーバー証明書の仕組み

SSL/TLSサーバー証明書は、SSL/TLS認証局によって発行されます。

SSL/TLSサーバー証明書の中には、サーバーの認証情報と署名が記載されており、署名はサーバーの認証情報とサーバーの公開鍵をまとめて認証局の秘密鍵で暗号化したものになっています。
サーバーにアクセスしたユーザーは、サーバーからSSL/TLSサーバー証明書を受け取った際に事前に認証局からダウンロードした認証局の公開鍵で復号して署名のサーバー情報とSSL/TLSサーバー証明書に記載された情報が符合するかによって、そのサーバーの認証情報の正当性を保証しています。

SSL/TLS サーバー証明書を導入するメリット

SSL/TLSサーバー証明書を導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、3つのメリットを解説します。

安全な接続を保証

SSL/TLSサーバー証明書は、Webサイトとユーザー間の通信を暗号化することが可能です。そのため、悪意のある第三者などに情報を盗聴されたとしても内容を解読できなくなり、信頼性の高い安全な接続が行えるようになります。これにより、企業や機関はWebサイトの信頼性が高まる、ユーザー側は安心して個人情報を送受信できるというメリットがあります。

Webサイトの信頼性の向上

SSL/TLSサーバー証明書には、Webサイトを運営する企業や機関の情報が含まれています。信頼された第三者によって、Webサイトの運営者が誰なのかが証明されているため、Webサイトが本物であることの証明が可能です。Webサイトの信頼性と透明性の向上につながるだけでなく、ユーザー側が運営者の身元を確認できるため安全なサイトだと認識できます。

SEO対策に貢献

SSL/TLSサーバー証明書を導入することで、Googleアナリティクスなどが正確な情報を取得できます。そのため、検索順位に大きな影響を与えるとされています。また、証明書は「ドメイン認証(DV)」「組織認証(OV)」「拡張認証(EV)」の3種類ありますが、その中でもDV証明書はサイトの暗号化を証明するものでSEO対策に有効です。

SSL/TLSサーバー証明書を導入する目的

SSL/TLSサーバー証明書をどのような目的で導入するのでしょうか。ここでは、SSL/TLSサーバー証明書導入の主な目的を解説します。

通信の暗号化のため

通信の暗号化とは、インターネット上で行われるデータのやり取りを暗号化するもので、個人情報や機密情報などを安全に保護するための技術です。SSL/TLSサーバー証明書は、暗号化のプロセスを支えるための重要なシステムです。

特に、クレジットカードや個人情報といった、機密情報を安全に取り扱う際に必要とされます。暗号化されたデータは許可された受信者のみが復号化できるため、悪意のある第三者に盗み見られることがありません。このように、SSL/TLSサーバー証明書を導入することでサイバー攻撃などから情報を保護できます。

Webサイトの認証

SSL/TLSサーバー証明書を導入することで、Webサイトが本物であることを証明するという目的もあります。SSL/TLSサーバー証明書は、認証局や認証事業者が証明書を活用する企業や機関などを調査したうえで発行します。企業や機関が確かに実在することが確認されているため、Webサイトの運営組織を特定が可能です。

また、WebサイトのURLや認証局の信頼性、有効期限などをチェックしたうえで、問題がある場合には警告がなされます。これにより、SSL/TLSサーバー証明書はWebサイトが本物であることの証明に役立ちます。

証明書を導入しないことで起こるリスク

SSL/TLSサーバー証明書を導入しないことでリスクが生じる可能性もあります。ここでは、2つのリスクについて解説します。

データ漏えいや改ざん

SSL/TLSサーバー証明書を導入していないとデータの暗号化ができません。そのため、第三者によるデータの盗み見や改ざんなどのリスクが高まります。特に、ECサイトなどではクレジットカード情報や個人情報を入力します。これらの個人情報が漏えいしてしまうと、企業としての信頼性が低下するだけでなく大きな損害が発生する可能性もあるでしょう。

なりすまし

SSL/TLSサーバー証明書を導入しないことで、第三者がサイト運営者になりすます手口に遭いやすくなるというデメリットもあります。実在しないドメインを使って偽のWebサイトを作成し、ユーザーのデータを不正に取得したり金銭をだまし取ったりといった被害に遭う可能性もあるため、SSL/TLSサーバー証明書によるWebサイトの認証が必要です。

SSL/TLS サーバー証明書の3つの種類

SSL/TLSサーバー証明書には、3つの種類があります。ここでは、それぞれの種類について詳しく解説します。

1.ドメイン認証(DV)

ドメイン認証(DV)とは「Domain Validation」を略したものです。ドメイン認証はもっとも基本的なSSL証明書として知られています。ドメイン名の所有者を認証するシステムで、小規模サイトでよく使われているシステムです。

ドメイン認証は取得が比較的簡単でコストも安いという特徴があります。証明書の取得はオンラインで完結でき個人でも取得できるため、手軽に取得しやすいでしょう。取得後は、ブラウザに暗線であることをしめすアイコンが表示されるため、SEO対策としても有効です。

2.組織認証(OV)

組織認証(OV)とは「Organization Validation」を略したものです。組織認証は、Webサイトの所有組織の実在性を保証するもので、中レベルの認証を提供しています。ドメイン認証よりも認証プロセスが厳しく、発行には数日から1週間程度かかるケースが多いようです。また、企業名や所在地の確認も必要です。

組織認証はWebサイトの信頼性を示せるため、主に企業や大規模な組織などでよく使われています。ログイン画面やビジネスサイトにも適しているでしょう。

3.拡張認証(EV)

拡張認証(EV)とは、「Extended Validation」を略したものです。拡張認証は3つの証明書のなかでもっとも高度な認証となっています。Webサイトの所有者と組織に対して厳しい審査が行われるため、他の認証方法よりもコストがかかります。

拡張認証は主に金融機関や大手ECサイトなどのユーザーの機密データを扱うWebサイトで導入されており、証明書が発行されるとブラウザのアドレスバーに企業名が表示される仕組みです。Webサイトの信頼性・安全性を示せるため、大企業や金融機関などに向いています。

SSL/TLSサーバー証明書を導入する4つの手順

SSL/TLSサーバー証明書を導入するにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、SSL/TLSサーバー証明書の導入手順を解説します。

1. 証明書の選定

まずは、証明書の選定を行いましょう。前述したように証明書には種類があり、それぞれに認証のレベルが異なります。証明書を利用する目的や予算を明確にしたうえで、自社のWebサイトに必要な認証レベルの強度を検討して証明書を選びましょう。無料の証明書もありますが、有料の証明書のほうがより高い信頼性と機能があります。

2.申請書の提出

次に、CSR(Certificateniん Signing Request)という申請書を作成します。申請書を作成して、証明書の認証局に提出しましょう。認証のレベルや認証局によっては、審査の際に書類を提出するケースもあります。企業の場合は、登記簿謄本や印鑑証明書などが必要になる場合もあるため、あらかじめ準備しておくとよいでしょう。

3. 証明書のインストールとサーバー設定

申請書を提出した後に審査が行われます。審査で問題がなければサーバーから証明書が送られてくるため、ダウンロードして保存しましょう。証明書をダウンロードした後は、サーバーにインストールする作業が必要です。一般的にはサーバーの管理画面を開き、正しい位置に鍵を設置することになります。

4.HTTPSへの切り替え

証明書をサーバーにインストールした後は、WebサイトのURLを「https」に変更しましょう。HTMLソースコードを確認して、ページ内のリソースURLも「https」に書き換える作業が必要です。書き換え後は、サイトを表示してhttpsのアドレスが表示されるかチェックしましょう。

SSL/TLSサーバー証明書の選び方

SSL/TLSサーバー証明書を選ぶ際には、認証局の信頼性、証明書を取得するまでのプロセス、コストなどを検討して選定するとよいでしょう。また、ワイルドカードやマルチドメイン証明書に対応しているかも重要な選定基準です。認証局の実績や取得までの時間を比較したうえで、自社の目的やコスト合った証明書を選ぶことが大切です。

まとめ

SSL/TLSサーバー証明書とは、通信の暗号化やWebサイトの身元を保証するためのデジタル証明書です。SSL/TLSサーバー証明書を導入することで、データ漏えいや改ざん、なりすましなどを防ぎ、Webサイトの安全性や信頼性を高められます。

クオリティアでは、PPAP対策としてTLS確認機能を標準で提供しています。相手がTLS対応(暗号化通信)している受信メールサーバーであることが確認できれば、ファイル添付メールもそのまま送信でき、手間がかかりません。自社のメールの情報漏えい対策が済んでいない人は、ぜひ検討してみてください。

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