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クラウドのセキュリティ対策は大丈夫?基本情報から危険性、実施すべき対策とは

2024.04.26 2024.04.26

クラウドサービスを利用する企業は、セキュリティ対策についても気になっているでしょう。この記事では、クラウドサービスのセキュリティリスクについて触れたうえで、有効なセキュリティ対策を解説します。自社でクラウドサービスを利用していたり、今後の利用を検討したりしている場合は、ぜひ参考にしてください。

クラウドサービスとクラウドセキュリティ

クラウドサービスやクラウドセキュリティとは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、それぞれの概要について解説します。

クラウドサービスとは

クラウドサービスとは、インフラやソフトウェアを用意しなくても、インターネットを介してサービスを利用できる仕組みです。
主なクラウドサービスには、以下3つが挙げられます。

・SaaS(サース):インターネット経由でソフトウェアやアプリケーションを利用できるサービス
・PaaS(パース):アプリケーション開発のプラットフォームをクラウド上で提供しているサービス
・IaaS(イアース):システム構築のプラットフォームをクラウド上で提供しているサービス

従来、ハードウェアやソフトを購入しなければ利用できなかったサービスも、クラウドサービスの登場により簡単かつ気軽に利用できるようになりました。

現在では、多くの企業がクラウドサービスを提供しています。そのなかでも、amazonの「AWS」、Microsoftの「Azure」、Googleの「GCP」などが特に有名です。

クラウドサービスにはさまざまなメリットがあるため、以下で詳しく解説します。

クラウドサービスのメリットとは

クラウドサービスを利用するには月額費用がかかりますが、初期費用は低く抑えられています。サービスによっては無料で導入できる場合もあります。

すでに用意されているサービスをそのまま利用できるため、導入を決めればすぐに利用を開始できる点も便利です。管理や障害発生時の対処はサービス事業者が行うため、運用の手間もかかりません。データのバックアップもスムーズに行えます。

クラウドセキュリティとは

クラウドセキュリティとは、クラウドサービスを利用するうえで発生する可能性があるリスクへの対策です。具体的には、クラウド上に保存しているデータが漏えいしたり消失したりしないよう、保護します。クラウドサービスはインターネットを介して利用するため、サイバー攻撃や不正アクセスなどの脅威も存在します。クラウドセキュリティにより、クラウドならではリスクにも対策可能です。

クラウド利用時の4つのセキュリティリスク

クラウドには、セキュリティリスクも存在します。ここでは、4つのセキュリティリスクについて解説します。

1.情報漏えい

クラウドサービスの利用においては、情報漏えいが発生するリスクがあります。具体的には、顧客の個人情報や企業の機密情報などの外部への流出があげられます。

クラウドサービスは、インターネットを介してデータを保存するとサービス事業者のサーバーに保存される仕組みです。そのため、充分なセキュリティ対策がほどこされていないと、情報漏えいのリスクは高くなります。情報漏えいを発生させれば、企業の信用や信頼を失うリスクがあります。相手に不利益を与えた場合、損害賠償に発展する恐れもあるため要注意です。

情報漏えいを防ぐには、ログインできるユーザーを適切に管理したり、強力なパスワードを設定したりする必要があります。

2.データの消失

クラウドサービスを利用していると、クラウド上に保存したデータが消失するリスクもあります。原因は状況によってさまざまです。たとえば、災害、サーバーの障害、外部からの不正アクセス、設定ミス、ユーザーの誤操作などにより、データが消失する恐れがあります。

悪意のあるアクセスによってデータが消失するケースだけでなく、ユーザーのヒューマンエラーによるデータの消失にも対策が必要です。重要なデータが消失した場合、企業全体にとって大きな損失が生じる可能性があります。万が一データが消失しても後から復元できるよう、バックアップをとっておくと安心です。

3.不正アクセス

不正アクセスとは、第三者が不正にIDやパスワードを取得し、勝手にサービスへログインすることです。不正アクセスが起きる原因は、マルウェアによるIDやパスワードの流出、不十分な管理体制によって生じるアカウントの不正利用、個人情報の漏えいなどさまざまあります。

不正アクセスを防止するには、強力なパスワードの設定が不可欠です。また、多要素認証を設定し、IDやパスワードの不正利用によってユーザー以外がログインするリスクを排除する必要があります。さらに、IDやパスワードの管理や扱い方に関するルールを定め、企業全体で周知することが重要です。不正アクセスを防ぐには、各従業員の意識も高めなければなりません。

4.サイバー攻撃

サイバー攻撃とは、インターネットを通して第三者によるシステムの停止や破壊、データの流出や改ざんなどが行われることです。具体的には「DDoS(ディードス)」や「ブルートフォースアタック」などの攻撃が該当します。

DDoSとは、複数のパソコンから一斉に大量のデータを送信し、サーバーに負担をかけて利用できなくする攻撃です。ネットワークやシステムが処理しきれず、サーバーが一時的にシステムダウンする恐れがあります。

また、ブルートフォースアタックは、いわゆる総当たり攻撃を意味しています。候補となるすべてのパスワードや暗証番号を入力し、ログインを試みる方法です。ブルートフォースアタックが成功して第三者から不正にアクセスされると、データの消去や持ち出しなどのリスクが生じます。

クラウドとオンプレミスはどちらが安全?

オンプレミスとは、自前で用意したハードウェアやソフトウェアなどを利用してシステムを運用する方法です。セキュリティ対策もすべて自分たちで設定できるため、安全性を強化できます。ただし、オンプレミスによる構築には、多くのコストや時間がかかります。

従来、クラウドのセキュリティ対策は、オンプレミスと比較して低いという意見もありました。しかし、現在ではクラウドのセキュリティ対策も強化されており、オンプレミスとクラウドの安全性には差がほとんどない状況です。

データを扱う以上、オンプレミスとクラウドのいずれについても一定のリスクはあるため、それぞれに適したセキュリティ対策を講じる必要があります。

クラウドサービスにおけるセキュリティ対策

クラウドサービスにおいては、さまざまなセキュリティ対策がとられています。ここでは、セキュリティ対策について具体的に解説します。

1.IDやパスワード漏えいを防ぐ

セキュリティ対策において、IDやパスワードの漏えい防止は特に重要です。セキュリティ対策が万全なクラウドサービスを選んでも、IDやパスワードが漏えいすれば不正アクセスを防げません。

パスワードを設定する際は、特定されにくい難易度の高いものにしましょう。

また、ワンタイムパスワードの設定やパスワードの入力回数の制限などによる対策にも、安全性を向上させる効果があります。

2.通信データの暗号化

クラウドサービスのセキュリティ対策においては、送受信する通信データの暗号化も有効です。データの暗号化を解除するには鍵が必要であるため、たとえ悪意をもった第三者がいても機密情報の流出を防止できます。たとえば、SSLサーバー証明書を使用して通信データを暗号化する方法があります。

3.OSやアプリケーションのセキュリティ対策

デバイスのOSやアプリケーションのセキュリティ対策に問題があれば、クラウドサービスの利用時にも攻撃を受けるリスクが高まります。定期的にアップデートを行い、脆弱性がないかチェックしましょう。

4.データの保管場所の把握

クラウドサービスを利用する際は、データの保管場所についても把握しておきましょう。サービス事業者の規模が大きい場合、海外でデータが保管されている可能性もあります。その場合、当該国の法律によってデータベースが差し押さえられたり、自然災害によってデータが消失したりするリスクについても確認しておく必要があります。

海外でのデータの保管に不安に感じるなら、日本国内でデータを保管できるサービスを選択しましょう。ただし、データの保管場所がどこであっても、定期的なバックアップは欠かせません。

5.ログイン可能なユーザーを管理する

クラウドサービスにログインできるユーザーの管理についても、適切に対応する必要があります。ユーザーごとに、クラウドサービスの権限や利用できる操作内容などを確認しましょう。

また、悪意をもった第三者は退職者のIDを利用して不正にログインするケースもあります。そのため、退職者のIDは確実に無効化すべきです。

6.定期的にバックアップする

多くのクラウドサービスは、バックアップの仕組みも用意されています。その機能を活用し、保管しているデータについて定期的にバックアップをとりましょう。バックアップしておけば、たとえデータが消失しても復元が可能です。外部のストレージやオンプレミスなどを併用してバックアップするとより安心できます。

クラウドサービスはセキュリティ対策を適切に実施するものを選ぼう

クラウドサービスがセキュリティ対策を実施しているか確認したい場合は、総務省の「国民のための情報セキュリティサイト」を参考にしましょう。このサイトでは、セキュリティ対策における以下の6つのポイントをあげています。

・データセンターの物理的な情報セキュリティ対策
・データのバックアップ
・ハードウェア機器の障害対策
・仮想サーバーなどのホスト側のOS、ソフトウェア、アプリケーションにおける脆弱性の判定と対策
・不正アクセスの防止
・アクセスログの管理

これらに対する取り組みについて確認し、充分なセキュリティ対策を講じているクラウドサービスを選びましょう。

※参考:クラウドサービスを利用する際の情報セキュリティ対策|情報管理担当者の情報セキュリティ対策|企業・組織の対策|国民のための情報セキュリティサイト

まとめ

クラウドサービスにおいてはインターネットを活用してデータをやり取りするため、さまざまなリスクもあります。セキュリティ対策を強化し、重要な情報の漏えいや消失などを防ぎましょう。

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