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セキュリティリスクへの対策方法とは?リスクの種類や具体例も解説

2024.05.02 2024.04.26

企業が保持しているデータや利用しているシステムは、企業にとって重要な財産です。セキュリティリスクとは、それらの安全性や機密性を脅かすリスクのことを指します。

この記事では、セキュリティ対策の種類や企業が受けたセキュリティ被害の事例などについて解説します。それぞれの対策方法についても解説するので、参考にしてみてください。

セキュリティリスクとは

セキュリティリスクについて解説します。詳細は下記を参考にしてください。

セキュリティリスクの概要

セキュリティリスクとは、データそのものや、データを取り扱うシステムに関するリスクです。具体的には、データやシステムに対して、損害や悪影響を及ぼす可能性のあるものを指します。

そして、リスクの種類は大きく2つに分けられます。1つ目は、不正アクセスに代表される脅威です。2つ目は、セキュリティホールに代表される脆弱性です。

セキュリティ対策とは

パソコンやスマートフォンなどのデバイスや、ネットワーク・インターネットの使用には、さまざまなリスクが伴います。そのため、セキュリティ対策による被害の予防が大切です。

セキュリティ対策を怠るリスクは多岐に渡ります。例えば、不正アクセスやウイルス感染、情報の流出や機器障害などです。機器や情報といった資産が失われるだけではなく、外部の組織に対する信用にも関わります。

セキュリティリスクの種類

セキュリティリスクの種類について解説します。それぞれの種類と詳細は下記の通りです。

情報セキュリティの脅威とは

脅威とは、リスク発生を誘発する要因のことです。情報セキュリティにおいては、企業や組織が保有している情報資産に対して、損失を与える可能性のあるものを指します。さらに、脅威は以下の3種類に分けられます。

・意図的脅威
・偶発的脅威
・環境的脅威

人が要因となるのは意図的脅威、偶発的脅威です。環境的脅威は、作業環境を要因としています。

情報セキュリティの脆弱性とは

脆弱性とは、脅威の発生原因となるような、セキュリティ対策上の弱点のことです。種類や状況は多岐に渡りますが、下記が代表的な脆弱性として挙げられます。

・ソフトウェア・ハードウェアの保守管理の不備
・ソフトウェア・ハードウェアが持つ脆弱性
・管理体制の不備
・保護が不十分な通信回線
・災害・トラブルが発生しやすい立地

情報セキュリティの脅威の種類

情報セキュリティの脅威の種類は3つです。ここからは、それぞれの詳細について解説するので、参考にしてみてください。

意図的脅威

意図的脅威とは、人間を起因とする脅威の1つです。悪意を持った行為によって引き起こされる損害や悪影響であり、内部・外部は問われません。以下のような行為は、意図的脅威として見られます。

・企業や組織のシステムに侵入する
・機密データや各種情報を持ち出す
・Webサイトを改ざんする
・標的型攻撃やマルウェア感染を起こす

偶発的脅威

悪意がなく故意でなかった場合でも、不適切な行動によって偶然起こるのが偶発的脅威です。具体的には、下記のような行動が偶発的脅威となります。

・操作や設定のミス
・装置や設備の故障
・記録媒体の盗難や紛失

主にヒューマンエラーが原因となる他、ルールや機器の整備が不充分な場合にも発生しやすいです。

環境的脅威

環境的脅威は、地震・台風といった自然災害や、高気温・高湿度などの異常気象などが原因で起こります。また、各種機材の老化についても環境的脅威に含まれます。環境的脅威になるのは、以下のような事例です。

・災害が原因で各種機材が破損する
・建物が損壊してシステムが維持できなくなる
・電気の供給が止まりシステムを維持できなくなる

IPA発表の10大脅威2023

情報処理推進機構IPAは、独立行政法人の1つです。日本におけるIT人材の育成や、情報セキュリティの対策強化を目的として設立されました。

IPAでは毎年、情報セキュリティの10大脅威を発表しています。2023年に発表された内容は以下の通りです。

個人

1位 フィッシングによる個人情報等の詐取
2位 ネット上の誹謗・中傷・デマ
3位 メールやSMS等を使った脅迫・詐欺の手口による金銭要求
4位 クレジットカード情報の不正利用
5位 スマホ決済の不正利用
6位 不正アプリによるスマートフォン利用者への被害
7位 偽警告によるインターネット詐欺
8位 インターネット上のサービスからの個人情報の窃取
9位 インターネット上のサービスへの不正ログイン
10位 ワンクリック請求等の不当請求による金銭被害

組織

1位 ランサムウェアによる被害
2位 サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃
3位 標的型攻撃による機密情報の窃取
4位 内部不正による情報漏えい
5位 テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃
6位 修正プログラムの公開前を狙う攻撃(ゼロデイ攻撃)
7位 ビジネスメール詐欺による金銭被害
8位 脆弱性対策の公開に伴う悪用増加
9位 不注意による情報漏えい等の被害
10位 犯罪のビジネス化(アンダーグラウンドサービス)

情報セキュリティの脆弱性の種類

情報セキュリティの脆弱性にはさまざまな種類があります。具体的な内容は下記のようになっています。

ソフトウェアの脆弱性

情報セキュリティの脆弱性の1つとして挙げられるのが、ソフトウェアの脆弱性です。ソフトウェアには、時間が経過すると発生する不具合や、潜在的な不具合が含まれている場合があります。

悪意を持った者は、これらの脆弱性を突いて攻撃を仕掛けてきます。例えば、Webサイトの閲覧やメールの開封をトリガーとしたマルウェアの感染です。

管理文書・体制の不備

ソフトウェア仕様書・操作手順書などの各種マニュアルや、情報管理の体制に関する不備も、脆弱性として見られます。

なぜなら、マニュアルや管理体制などに不備があると、誤操作やソフトウェア障害、セキュリティ事故などに繋がるからです。

不具合や事故への対応は時間と手間がかかるため、管理文書・体制の不備がないようにしましょう。

立地

立地や環境なども、情報セキュリティにおける脆弱性の1つとして数えられます。脆弱性があるとして見なされるのは、災害が起きやすい立地や、停電が発生しやすい環境です。

リスクのある場所にデータセンターやオフィスを構えていると、サーバーの破損やシステムの稼働できなくなる可能性もあります。

セキュリティリスクへの対策が必要な理由

セキュリティリスクへの対策が必要な理由は複数あります。以下は、具体的な理由と詳細です。

企業の信頼に関わるため

セキュリティリスクへの対策が必要な理由として挙げられるのが、企業への信頼低下を防ぐことです。

企業は、顧客・取引先などの個人情報や機密情報を取り扱っている場合があります。しかし、それらが流出すると企業への信頼が損なわれてしまいます。

関係を築いていた既存の顧客・取引先が離れてしまう他、イメージ悪化によって新たな機会も損失しかねません。

損害補償が発生する場合があるため

セキュリティリスクへの対策を怠っていると、損害賠償が発生する可能性もあります。具体的には、顧客や取引先に関する機密情報が流出してしまった際です。

情報漏えいが発生すると、損害賠償として多額の費用の支払いが必要となり、企業の財政状態にも悪影響を与えます。また、最悪の場合は訴訟という事態にも発展しかねません。

セキュリティ被害の種類と事例

セキュリティ被害における代表的な種類を解説します。事例も合わせて解説するので、参考にしてみてください。

内部不正

セキュリティ被害の種類の1つが、内部不正です。内部不正とは、従業員や関係者が重要な情報を外部に持ち出したり、消去したりする行為を指します。

内部不正の事例として、2014年3月にA社で起きた情報漏えいが挙げられます。元従業員が企業秘密のデータを持ち出し、自身の転職先である外部の企業に情報を提供しました。

Webサイトの改ざん

Webサイトの改ざんも、セキュリティ被害として挙げられます。Webサイトの改ざんは、第三者が勝手にWebサイトの内容を書き換える行為のことです。また、原因となるのは、主にソフトウェアのアプリケーションの脆弱性です

2000年にはB社のWebサイトが書き換えられ、サイトを訪れた人や関係者の間で混乱が発生しました。

サプライチェーン攻撃

サプライチェーンとは、企業や消費者を問わず特定の誰かに、商品・製品や、サービスが届くまでの一連の流れを指します。

例えば、C社の部品生産を担当していたD社がサイバー攻撃を受け、部品供給に関するシステムが影響を受けたとします。

D社は直接的に被害を受ける他、C社もD社から部品が届かなくなって業務に影響が発生し、他の関連する企業も影響を受けます。

セキュリティリスクへの対策方法

セキュリティリスクによる被害を減らすには、対策方法を把握しておくことが重要です。具体的な対策方法は下記の通りです。

標的型攻撃メールへの対策

標的型攻撃メールは、メールを使った攻撃方法になります。メールに添付されたマルウェアや、内容に記したダミーのリンクを使って攻撃を仕掛けてきます。

対策方法は、不自然なメールは開封しない、リンクに触れずアクセスしないなどです。ウイルス対策ソフトやフィルタリングサービスを利用すると、自動的に対策ができます。

データ持ち出しなどの内部不正の対策

内部から外部へデータを持ち出すなどの内部不正の対策には、ルールの徹底と社内研修などを行うことが重要です。また、管理用のユーザーアカウントを用意して、アクセス権限を適切に制限するなども効果的です。

業務上の理由で持ち出さなければならない場合も持ち出し専用の端末を渡す、ハードディスクのデータを暗号化して使うなどの対策を行いましょう。

クラウドサービスへの対策

クラウドサービスは、サービスの事業者がシステムの運用・保守などを担当しています。しかし、利用側でもトラブルを想定した対策を用意しましょう。

なぜなら、クラウドサービスは定期メンテナンスやシステム障害などでサービスが停止してしまうからです。代わりとなるシステムを用意したり、定期的に手元にバックアップを用意したりするべきです。

Webサイトの改ざんの対策

Webサイトの改ざん対策には、サイト内の脆弱性を取り除くことが重要です。アップデートは定期的に行い、従業員のパソコン上ではセキュリティソフトをインストールしておきましょう。特にWordPressなどのオープンソース上のCRMで構築されたWebサイトは、プラグインも含めて常に最新版にアップデートを行っておかなければ脆弱性が高まる危険性があるため注意してください。

サプライチェーン攻撃の対策

サプライチェーン攻撃の対策では、主に以下が重要です。

・OSやソフトウェアを常に最新版にしておく
・複雑なパスワードを設定し定期的に更新する
・ウィルス対策ソフトを導入する
・データ共有の権限状況を見直す
・従業員のセキュリティ対策研修を行う
・セキュリティ強化を図れる人材を雇用する

上記は基本的な対策ではありますが、見落としがちなものもあるため、再度自社のセキュリティ状況の見直しや確認を実施しておきましょう。

まとめ

セキュリティリスクの概要や種類、セキュリティリスクへの対策が必要な理由や対策方法などについて解説してきました。

セキュリティリスクは、さまざまな機器や場面に存在しています。そのなかでも、メールは多くの企業で利用頻度が高く特に注意するべき部分です。

メールに関するセキュリティリスクを軽減したい場合は、専用のサービスの利用がおすすめです。クオリティアはクラウド型メール誤送信防止サービスで、さまざまな機能でメールや添付ファイル経由の情報漏えいを防止できます。

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